はい。僕の就職は『医者：小児科医』になったことです。

それまでずっと学生やったから何もできない僕に向かって、看護師さんやみんなが「先生、先生」って言うもんやから（できひんと思っている僕に）、「先生、先生」っていうのは、嫌味にしか聞こえへんていうのが正直なところかな(笑)

で、まぁ、もちろん勉強はしているけれど、それこそ普通の生理食塩水の点滴を患者さんに入れるのも、「ほんまに入れていいんかな？」「自分の手で入れていいんかな？」という、最初のドキドキはやっぱりいっぱいあった。

それは経験関係ないと思うんですけど、当然なりたくてなった仕事やし、ずっと病院にいるのは全然苦じゃなかったですね。

だから、かなり楽観的な方だと思うね。同じような治療をしていた友達、何人かいたけど…そんな話はしてなかったな。

あとはむっちゃ細かい話ですけど、点滴シーネに包帯を巻いてるやんか。

「これ、かぶれて、かゆいやろうなぁ」っていう時とかは（患者さんのところに）スッといって、看護師さんおるけど（その横で）巻き直したりとか。

言うてもそんな上手じゃないから、かえって迷惑みたいなところがあったり（笑）

あとは、小言みたいなことが結構…。
「シリンジ（注射器）そこ置いたら、ちょっと不潔な気するなぁ」とか言ってしまったら、「それぐらいはええやん」って言われたりとか。

自分が患者さんやったら、「点滴にちょっとエアが入ったら気になる」とかあるやんか。「ちょっと消毒甘いんちゃうか？」とか。

そういうのはめっちゃ気になったけど、その入りたての何もわからへん医者が看護師さんに「ちょっとそれ…」って言ったらめっちゃ嫌がられるっていうのはあったかな(笑)

全然、体が大きい方ではないし体力ある方ではないけれど、もともと病気になる前から睡眠時間はそう長くなくてもいける方でした。幸い、そのあたりは普通かなっていう。

まぁ正直、僕の中ではみんなより元気なぐらいかと思って過ごしているんですけれどね(笑)

僕、三重大学で、ゴルフ部やったんです。田舎だったんでゴルフ場とか結構あって、その中で他の人が「嫌や」っていうぐらい、自分のゴルフバック担いでいっぱい回ってました。そのあたりは幸いっていうか、自分には体力的な問題はないっていうのはありますかね。

そうですね、過労で倒れるっていう事はなかったですね。

そうそう。「先生」て言われた時点で、教えてもらわれへんみたいな緊張感があって、それはめちゃ困ったなぁ。